今日は、令和3年度 第31問について解説します。
管理業法における賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 賃貸住宅管理業者は、使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければならない。
② 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない。
③ 賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに、業務に関する帳簿を備え付け、委託者ごとに管理受託契約について契約年月日等の事項を記載して保存しなければならない。
④ 賃貸住宅管理業者は、再委託先が賃貸住宅管理業者であれば、管理業務の全部を複数の者に分割して再委託することができる。
解説
賃貸住宅管理業法上の業務の規律に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
賃貸住宅管理業者は、使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければならない。
〇適切です。
証明書の携帯について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、管理業務を行う従業者に、従業員証明書を携帯させる必要があります。なお、関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければいけません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない。
〇適切です。
金銭の分別管理について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、管理業務で受領する家賃や敷金、共益費等の金銭を、整然と整理する方法によって、自己の固有財産や他の管理受託契約に基づく管理業務で受領した金銭と分別して管理しなければいけません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに、業務に関する帳簿を備え付け、委託者ごとに管理受託契約について契約年月日等の事項を記載して保存しなければならない。
〇適切です。
賃貸住宅管理業者は、営業所または事務所ごとに、業務に関する帳簿を備え付ける必要があります。家賃等を管理する口座に関しては、貸主ごとに口座を分けることまではしなくて良いとされていますが、帳簿上は貸主ごとに分けて、それぞれの管理受託契約について契約年月日等の事項を記載して保存する義務があります。
なお帳簿の記載事項について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸住宅管理業者は、再委託先が賃貸住宅管理業者であれば、管理業務の全部を複数の者に分割して再委託することができる。
×不適切です。
管理業務の再委託の禁止について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
管理受託契約に再委託に関する定めがあるときは、管理業務の一部を再委託することが認められます。なお業務の全部を再委託することはできません。
再委託先は、賃貸住宅管理業者の登録拒否要件に該当しない事業者が望ましいとされています。賃貸住宅管理業者である必要はありません。
つまり、賃貸住宅管理業者は、再委託先が賃貸住宅管理業者であるかどうかにかかわらず、管理業務の全部を複数の者に分割して再委託することはできません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢④となります。
賃貸住宅管理業法上の業務の規律については12項目あり、例年テーマを変えて出題されています。
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